明日、本会議で各議案、請願、陳情、意見書などが採択されますが、金曜日に幹事長会議が行われ、賛否は既に決しております。
とは言いながら議案・請願・陳情に関しては本会議後に報告する方が確実ですので、ひとまず意見書に対する民主党の対応状況を書いておきます。
意見書とは地方議会から国政(内閣・衆院議長・参院議長)に対して意見を述べるもので、地方行政に影響を及ぼす政策について転換を求める時などに使用します。
●地方議会制度の充実強化に関する意見書(自民党)
●保険でよりよい歯科医療の実現を求める意見書(自民党)
●後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める意見書(共産党)
●障害者自立支援法の抜本見直しを求める意見書(共産党)
●教科書検定意見の撤回と記述回復を求める意見書(共産党)
●守屋前防衛事務次官の防衛行政をめぐる疑惑解明を求める意見書(共産党)
●最低保障年金制度の実現を求める意見書(共産党)
●介護保険法の理念に立った制度の再見直しを求める意見書
●独立行政法人国民生活センターの機能充実を求める意見書(ネット)
●全国学力・学習状況調査の中止を求める意見書(ネット)
●原爆症認定制度の改善を求める意見書(公明党・共産党)
●新テロ特措法の廃案と旧法下での海上自衛隊の活動について情報開示を求める意見書
●日豪EPA(経済連携協定)締結交渉に関する意見書(民主党、共産党)
●地方議会制度の充実強化に関する意見書(自民党)
地方議会の自主性・自立性を高める法制度改正、地方議員の職責・職務を明文化することなどを求める意見書です。
今、全国市議会議長会などが提案している案件で、全会派一致で採択。
●保険でよりよい歯科医療の実現を求める意見書(自民党)
歯科医師会からの要請を受け自民党が提出した意見書で、平成18年度の診療報酬改定により、歯周病・義歯作成に関する報酬が低く抑えられたことに反対する意見書です。
全会派一致の採択となりましたが、個人的には予算規模が把握できない中で採択することは少しためらわれます。
●後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める意見書(共産党)
来年4月から始まる75歳以上の高齢者を対象とした制度の中止・撤回を求める意見書です。
確かにこの制度は高齢者にとって従来より保険料の負担が重くなる法律であり、私達としても諸手を挙げて賛成している法律ではありません。
ただし、高齢化社会が進展していく中、世代間の公平性を考える必要もあります。低所得者への救済策を今後も一層講じていかなければなりませんが、制度の中止・撤回には反対のため意見書には反対しました。ネット・共産の賛成少数により不採択。
●障害者自立支援法の抜本見直しを求める意見書(共産党)
応益負担制度の撤回、自立支援施設の報酬引き上げなどを求めるもので、内容的には概ね理解できるものでした。ただし、「精神障害者退院支援施設の導入は中止すること」という内容は民主党の政策ではないため反対。採択の結果、ネット・共産の賛成少数で否決。
精神障害者退院支援施設とは、他国よりも圧倒的に多い精神病院の入院患者を少しでも減らすために厚生労働省が導入したものですが、障害者団体からは「医療費削減を目的とした制度だ」と反対の声が上がっています。
個人的には、この制度で入院患者が減るとは思えませんし、ここ最近の状況を見ると比較的短期で退院している人も珍しくない状況のため、このような制度を導入することは拙速だという認識がありますが、民主党本部の見解に従います。
●教科書検定意見の撤回と記述回復を求める意見書(共産党)
ニュースでも相当取り上げられた沖縄戦の自決強制を巡る検定意見の撤回を求める意見書です。
私個人としては意見内容もさることながら、文部科学省の一調査官が個人的イデオロギーに基づき審議会に検定意見を出させた経緯が一番問題だと考えます。検定は政治的中立で無ければいけません。内容以前の問題です。
私は賛成でいいのではないかと思いますが、既に民主党を中心に国会で議論がされており、その経緯を見守るため反対。ネット・共産の賛成少数で不採択。
●守屋前防衛事務次官の防衛行政をめぐる疑惑解明を求める意見書(共産党)
疑惑を徹底的に解明することを求めるものですが、意見書提出後、守屋さんは逮捕されたため、今後は司法の行方を見守ることとして民主党としては反対しました。
●最低保障年金制度の実現を求める意見書(共産党)
最低保障年金制度の実現は私達民主党も主張していることですが、その実現は今の制度の中では不可能だということも民主党の主張です。
保険料方式から税制度への移行、2段階給付方式など、年金制度改革という一つのパッケージの中で実現するもので、最低保障年金制度だけを議論することは政治的には無責任のため反対です。ネット・共産の賛成少数で不採択。
●介護保険法の理念に立った制度の再見直しを求める意見書
介護労働者の待遇改善、居住系の総量規制の緩和、介護予防事業の別財源化を求めるもので、前者2つに関しては大賛成ですが、最後の介護予防事業に関しては民主党の政策とは違うため反対。ネット、共産の賛成少数で不採択。
個人的にはこの意見書は賛成したかったです。最後の項目さえ無ければ…
●独立行政法人国民生活センターの機能充実を求める意見書(ネット)
独立行政法人の整理合理化計画の中で国民生活センターの機能縮小が提案されていますが、今全国の自治体でも消費者行政に関する予算は年々減っており、国民生活センターの機能はますます重要なものになってきています。
生活者ネットである市民ネットらしい意見書で民主党としても賛成です。全会派一致で賛成。
●全国学力・学習状況調査の中止を求める意見書(ネット)
競争を煽り、教育施策に縛りをかける学力テストは速やかに中止するべきだというものです。
このテストの結果が学校単位で公表されるなどして学校の序列化などが進めば大いに問題ですが、テストそのものは学校の教育改善のためにも、教育施策を戦略的に進めていく上でも指標の一つとして有効に活用すべきです。民主党としては反対。ネット・共産の賛成少数で不採択。
●原爆症認定制度の改善を求める意見書(公明党・共産党)
原爆症の認定に関しては厚生労働省が一部しか認定せず、他の被爆者の認定申請を却下している状況があり、裁判においても形式にとらわれず総合的に判断し救済を求める判決が出ているところです。
全会派一致で採択。
●新テロ特措法の廃案と旧法下での海上自衛隊の活動について情報開示を求める意見書
会派内で意見が割れた意見書です。国民的議論が起きている案件でもあるので私としては賛成しても良かったのではないかと思いますが、国会で既に議論されていること、地方政治に直接関係なく政治的色合いが強くなること、民主党としては国連決議に基づけば武力行使を否定しない考えであること、など反対すべき側面が強く反対としました。ネット・共産の賛成少数で否決。
●日豪EPA(経済連携協定)締結交渉に関する意見書(民主党、共産党)
現在オーストラリアとの間でEPA締結交渉が進められていますが、その中で農産物を含む関税の全面的撤廃を求めてくることが予想されています。
そうなれば、我が国の農業は大きな打撃を受け、食糧自給率の低下という日本全体の安全保障にも影響を与えるほか、農業が盛んな千葉市にも影響が及ぶため、重要な農産物を交渉品目から除外することを求めるものです。
全会派一致で賛成。
●意見書への姿勢
意見書というものは地方議会の立場から国政に対して「何でやらないんだ、地方の声を聞け!」という意味で出すものです。政治的闘争のために使うものであってはいけません。
そうした観点から、国での議論が進んでいないもの、地方政治を担う立場として国に言わなければいけないものに対して賛成することが望ましく、今回のように教科書検定・守屋次官の疑惑解明・テロ特措法などは果たして望ましいものなのか議論があります。
共産党は国会でも少数派ですし、ネットは国で議席を持ちませんから、会派として止むを得ないものはありますが、民主党は上記姿勢で臨みます。
障害者自立支援法と介護保険に関しては個人的には賛成したかったですね…
■熊谷としひと公式Web:http://www.kumagai-chiba.com/
2007年12月16日
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