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2008年04月04日

チベット問題について

チベット問題が泥沼化しています。
私は大学時代に中国経済史を専攻し、また中国の奥地にも旅行に行きましたが、チベットに対する中国の統治にはやはり問題があると言わざるを得ません。

ただし、中国共産党政権は56民族の共和に非常に腐心しており、紙幣などあらゆる形で民族の共存を謳っています。そうした意味では、決して漢民族による民族差別を国家として行っているわけではありません。
民族に対する配慮はアメリカも日本も到底及ばないほど徹底していることをまず前提する必要があります。

しかし、民族の共和は認めながらも、あの広大な領土と民族を統治する関係上、最終的には共産主義という中華思想が形を変えた中央集権体制の中に組み入れようとする動きがあることも事実です。それがダライ・ラマという教祖を持つ強固な宗教国家であるチベットには到底受け入れがたいのでしょう。

また、経済問題としても漢民族による経済支配が進んでいる背景もあります。
タイなど東南アジア諸国を見ても明らかですが、漢民族の商売に対する執念は群を抜いており、多くの国でその経済を支配しています。そのことが貧富の格差を生み、漢民族への反発として現れていることもあるでしょう。

あそこまで広大な領土と民族を連邦制でもない中央集権体制で維持するためにはどこかで必ず歪みが発生します。
毛沢東による中華人民共和国成立当時は私は混乱を避ける上でも、他民族も含めたあの広大な領土を統治する必然性はあったと思います。しかし、近代化が進めば進むほど、それが良いことかどうかは別として民族という単位で自治を求める動きが出てくることは必然の流れです。

チベットを始めとした各自治区に対する自治の拡大は避けられない流れですが、それがソ連の崩壊と同様に共産主義体制の崩壊に繋がる危険性から中国指導部は認めるわけにはいかないでしょう。
私たちは隣人としてそれを理解しながらも人権と文化の弾圧には注意をしなければいけません。

一方、欧米諸国のチベットに対する報道を見ていると、やはり欧米人にはアジアが自分たちと本当の意味で同格になることにどうしても抵抗感があるんだなあ、と感じます。
中国の存在感が日に日に高まることに警戒心を隠せない欧米にとって叩き甲斐のあるネタだけに報道の過熱ぶりが凄いです。

いずれにせよ、国際的な査察団の受け入れやダライ・ラマとの対等な会談などを求めていくことが日本にも求められていると思いますが、故主席の訪日を実現したい福田首相にとっては厳しそうです。
posted by 熊谷としひと at 12:25| 千葉 ????| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・経済・歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お、来たねチベット問題。

俺も、いろいろ考えることがありますが、まぁ多民族を抱える中国が最も恐れるのはそれぞれの民族の独立だろうね。

やはり自分にも、ロシアのチェチェンの様に(その地方の住民を根絶やしにしてでもというように)何が何でも押さえつけようとしているようにみえる。

一地方の独立を認めれば国自体が崩壊すると危機感を持っているようだ。

チベットは中国に併合されたころからの根深い確執があって、中国当局もラマ教やイスラム教は要注意機関紙で言っていたりする。これって、チベット自治区と新疆ウイグル自治区なんだけれど。

刺激されて新疆ウイグル自治区でウルムチ発の飛行機テロ未遂事件も起きているようだね。

北京オリンピックに向けて中国にとって大変な時期だと思う。

それにしても、ヨーロッパの中国たたきはいただけないね。
さんざん過去にアフリカ・アメリカ・アジア方面で民族を制圧・搾取しておいていまさら他国の民族問題に干渉するのは、偽善的でむなしく聞こえる・・・。

モノカルチャー化して、国力を破たんさせた責任を取ってから言ってくれとか思ってしまう。
Posted by ヤッシー at 2008年04月04日 22:43
ウイグルなんかは比較的現実的というか、争いは好まない民族だけど、そこでもテロ未遂事件が起きてることを考えると深刻だね。
ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊を目の当たりにしてきたけど、中国が崩壊する時代がいつ来るのか、ソフトランディングできるのか、これは世界史にとっても相当のインパクトを持つことは間違いない。
Posted by 熊谷としひと at 2008年04月06日 00:06
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