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2005年11月23日

小泉首相:擬似大統領制に見る三権分立の方向性

最近思うのは小泉首相の政治手法というのは出身政党であるはずの自民党とも対決していることから擬似的ではあれ大統領制のようなものだということです。特に郵政法案が否決された際に解散を選択したことは、大統領に与えられる議会法案の拒否権にあたるものとも取れます。
従来の議院内閣制の弊害に対して絶妙のタイミングで現れた小泉大統領に熱狂する日本は今後三権のバランスを政権交代による議院内閣制に求めるのか、それとも大統領制に求めるのでしょうか。

よく政治体制で三権分立と言われますが、これは立法・行政・司法をそれぞれ別の期間に担当させ、相互に牽制させることにより政治権力の均衡と民主主義の確立を図るものです。
その三権分立論の主張者であるモンテスキューは「同一の人間または同一の執行官の一団の手に立法権と執行(行政)権が結合される場合には,自由は存在しえない。」と言っております。

皆さん、公民の授業を思い出されるのではないでしょうか。ああ、やったやったと。
で、公民の授業でそう教えるくせに日本というのはイギリスと同じく議院内閣制で、国会の多数政党から首相が選ばれますので、立法と行政は分離していないことになります。二権分立?

今回の郵政法案否決はともかく、普通は過半数を占めている政党から首相が選ばれる以上、政府が提出する法案が否決されることはまず無いわけです。
本家イギリスでも最後に政府提出法案が庶民院で否決されたのは1986年の営業時間法案であり、このようなことは20世紀中に3回しか起きていません。

この議院内閣制の長所は行政が求める法案が速やかに立法にて可決されるところで、これにより政治の効率化が図られているわけです。議院内閣制が多くの国で採用されている理由はここにあります。
行政と立法の方針が異なり毎度毎度調整していたりすればなかなか政治は前へ進みませんし、行き過ぎた相互チェックは政治の硬直化を招くという理論です。

しかし、このような状況下では本来の趣旨である相互チェックが曖昧となり、権力の分散は事実上形骸化する危険性を有しています。その結果、議会の空洞化や政権内の構造的な腐敗が発生し、政治不信につながるわけです。
だからこそ議院内閣制では政権交代の重要性というのは極めて高く、イギリスなどは頻繁に政権交代が実現することで何とか成立している面もあります。

政権交代というのは三権分立を効率の面から一部諦めた議院内閣制の問題点を適宜修正するための「革命」のような存在なのです。

対してアメリカは三権分立が徹底していて、国会議員は閣僚になれず、大統領は国会に出席もできず法案提出権もありません。立法権を握る国会と、行政権を握る大統領の役割が明確に分立されています。
とはいっても自分の方針に沿う法律が成立しないと行政もやってられないので、大統領は教書演説などを通して議会に法案作成を要請するほか、折に触れ国民にアピールすることで世論を形成し、その世論をバックに議会に圧力等をかけるわけです。国会が可決した法案を1度は拒否することもできます。

で、どちらの制度がいいかは一長一短があるのですが、日本は少なくとも戦後二権分立できたわけですが、小泉首相になってから「自民党をぶっ潰す」と言って出身政党である自民党とも対決し、政府vs与党という構図を演出したことで、擬似的に大統領制に近い状況が生まれました。
当時民間人である竹中大臣が改革の中心に座ったことも、行政と立法の分立と言えるものかもしれませんし、小泉首相が世論の支持を背景に与党議員に法案賛否の踏絵を迫ったことなどは正にアメリカ流の行政のあり方に近いものがあります。

国民は政権交代のない議院内閣制による三権分立の形骸化・構造的な腐敗に嫌気がさしていたわけですが、それは当たり前で議院内閣制の短所を補うべく存在している政権交代が(事実上)一度も発生しなかった結果必然的に起こる問題だったわけで、本来の解決方法は政権交代だったのです。

しかし小泉首相の登場により、日本は議院内閣制そのものの否定というか大統領的政治へシフトし始めてしまいました。
この大統領的政治体制の新鮮さに味を占めた国民は、次の政権にもそうした色合いを求めますので、ポスト小泉はどれだけ大統領的姿勢をアピールできるかにかかってきそうです。

そうなると益々国民の好む政治体制と本来の議院内閣制との間で矛盾が発生し、パフォーマンス政治に突入する気がしてなりません。
本来の議院内閣制の特徴である政権交代を一度実現させた上で、日本の政治体制は議院内閣制であるべきなのか大統領制であるべきなのか、議論をしてみてもいいのではないでしょうか。
posted by 熊谷としひと at 15:08| 東京 ????| Comment(3) | TrackBack(0) | 政治・経済・歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
であるならば
それが、一つの【勢力】となり
【三権分立】に対抗できる
【機構】を持ったならば

新たな=政治形態=が生まれてくるのではないか。。。
今の【参議院】のような
【存在意義】さえ
=疑問視=されている状態ではなく

【インターネット】の中に
新たな【参議院】のような物が
でき、其れが、社会的に認知されるような
【権力】を持つ事が出来たならば

これから先、どのような
【社会】が、出来てくるのか。。。。
少し、不安でありながら
少し、ワクワクする物も在ります。。。
Posted by アシュラ at 2005年11月24日 09:23
どうも、操作ミスで、変な事になりました
誠にすみませんm(_ _)m ゴメンナサイ

確かに、【小泉】サンが出で来てから
【自民党】は、変わったと思います。

しかし、人によったならば
【一時的】な物である。。。という人ももあり
其の感覚は、何か
【昔】を懐かしがっているような【気】もします。。。

これからは、=本当ほ=に
【政治】と言う物に=情熱=を傾けられる
人が、少しでも多く国会議員になつて貰いたいという思いがしますが。。。

【昔】の国会議員にしたならば
=世襲=的になつて来た状態を維持できない
【恐れ】を抱いているのではないか。。。と
勘ぐられる恐れがあり、

【昔】よりも、=選挙民=の世話をするよりも
【政策】【国の未来の姿】と言う物を
各自が確りと掴んでいなければ成らなくなったという感じがしているのではないでしょう。。。???

確かに【小泉】サンが出てきて、以前のような
=馴れ合いの国会運営=は、出来にくくなると思います。其の一番大きな【原因】として
インターネットの普及にによる【国民】の監視が、今までの【想像】を越える物になつてくるのでは。。。という想いがしています。。。

其れを、【気】にしすぎると、
【衆愚政治・人気取り政治・パーホーマンス政治】になる恐れがありますが
どのような【国民】であっても
何の【勢力】を持っていなくても
其の主張する事が、=正しい事=
Posted by アシュラ at 2005年11月24日 09:26
コメントありがとうございます。
インターネットの普及は政治を劇的に変えましたし、今後も変えていくでしょうね。今、選挙活動にインターネットを利用可能とする法案修正を自民党と民主党で検討しているようですし。
Posted by 支部長 at 2005年11月24日 22:36
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